【ZF】hokousya/2020

all tracks & artwork:masakazu suzuki
photo:pei
contact:suzuki.zf(at)gmail.com
supported by ZOMBIE FOREVER

ZF卒業を表明した工場長こと鈴木聖和によるソロプロジェクト《hokousya》最新作にて(在籍)最後のリリース作品。カセットレーベルという確固たる地位を築いておきながら最後に自らがリリースするのはCD-R。ズコッ。ひとり残された僕にはすでにPC(一年前に壊れた)というものはなく、CD-Rを焼くことができないから実質これがZOMBIE FOREVERのCDとしてのリリースは最期になるだろう。もうPCを買う気はないし、彼と二人三脚でフィジカルにこだわってきたおかげでマスターはすべてCDやカセットで保管してある。最近の鈴木くんと言えばカセットデッキが何度も壊れ、僕の100倍几帳面のはずがプレスミスを連発してしまっていた。そんな彼が今できる最良のリリース(メディア)がCD-Rだったのだろう。相変わらず気持ち悪いぜ！

僕と鈴木くんが出会ったのは山形のサンディニスタ。2006年かな。彼はhokousyaとして、僕はQurageとして共演して意気投合してレーベルを始めることになる。同い年だし一日中電話してても飽きなかった。hokousyaの第一印象は悔しいくらいにかっこよかった。SHIFTの船山さんが「やべーやつ長井にいっからよ」と紹介してくれたのも今思えばヤンキーみたいでヤバかった…笑。当時からChildiscでリリースされてもおかしくないような竹村延和アプローチと思いきやハードコア/アブストラクト/エクスペリメンタルな要素を持ち合わせている不思議な音楽だった。彼のことを天然素材と言ってしまえばそれまでなのだが、高校時代カートコバーンに憧れて暴走していた黒歴史は相当に面白い。ガレージパンク/ハードコアパンクを愛しているが演奏するのは専ら電子音だ。途中バンドをやったり弾き語りをやったり様々なアプローチを見せるも僕から言わせれば全部失敗だったな。ここにきてhokousyaが戻ってくるとは思ってもなく、僕にとっては念願の新譜なのだ。

彼のいいとこが全部詰まっているのはやはりhokousyaという表現方法だと断言する。彼もまた浮気性の僕には厳しく「森くんはQurageで唄ってなきゃだめだよ」とか言う。そうやって出会ってるんだから当たり前かもしれないが、昔からお互いわかりきっていたことだ。ゾンフォーを一緒にやってきて12年。唯一心残りなのはレーベル主催でQurage vs hokousyaをしたかったことかな。もう叶いそうにないけど、最高にかっこよくて久々に悔しくなっちゃう音源を最後に出してくれただけでも救われる。

鈴木くんがいなかったらZOMBIE FOREVERは間違いなくもっとメジャーよりのレーベルになっていたと思う。お金になるいい話もたくさんもらったし、まんまと飛びつこうとした俺がいましたよ。でも鈴木はいつも超面白いけど絶対売れないバンドばっかり見つけてきて聴かせてくれたし、そういうバンドが日の目を見るべきだって服ボロボロなのに瞳だけキラキラさせて言うんだもんな。そんな親友を持ったことが一番の幸せだし、何年経ってもずっと再会を繰り返せるレーベルメイトに恵まれているのはそのおかげだと思う。これからも鈴木くんに笑われないようにしないとな。葬式みたいなコメントだけど、まーこれからも精々がんばれよな！